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弊社事務所は、昨年末に引越しをした。新しい事務所は戸建住宅で、その二階を仕事部屋としている。リビングに当たるその部屋は、床暖房のおかげで寒い冬も快適だが、階段と仕事部屋を仕切るドアがない。そこで、階段からの冷気をシャットアウトし、部屋の温度を暖かく保つために、部屋の入り口に透明なビニールシートで断熱カーテンをつくった。 私などは、慌ててここを通過しようとして、このビニールシートに行く手を阻まれることがよくあるのだが、そのたびに、思い出してしまうことがある。それは、以前水族館で見たマンボウである。 普通の魚から胴体をとって、頭だけで泳いでいるような、奇妙な形の魚。マンボウは、夏から秋にかけて日本の沿岸にも多くやってくるが、その生態にはいまだ謎が多いという。 |
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飼育はとても難しいと言われているが、現在関東でも何箇所かの水族館でマンボウを観察することができる。マンボウの水槽では大抵、水槽の内側にもう一枚、透明なビニールシートのようなものが張り巡らされている。これがないと、マンボウは水槽の壁にぶつかって死んでしまうのだそうだ。ビニールシートにぶつかりながら、不器用に泳いでいたマンボウの姿が思い出される。 伊豆半島でも、運がよければ通常のビーチダイビング時に野生のマンボウを見かけることができるが、残念ながら私はいまだにお目にかかったことがない。 実はこの写真は、網で囲われたいけすの中で撮影した。ここでは、定置網にかかるマンボウやイトマキエイ等を保護し、ダイバーに公開している。漁港の沖合いに設置されたいけすは直径50m程、深さは10m前後で、私達ダイバーは、ダイビングを終えた帰り道に、いけすの中でマンボウと共に泳ぐことができる。 このいけすの中の生物は、一定期間後は海に返されているそうだ。 なぜか人を恐れず、ダイバーの吐く泡に興味を示して近づいてきたかわいいマンボウ達も、今はもう、何も遮るもののない、広い我が家へ帰っていることだろう。 |
(撮影地 千葉・波左間海中公園) |
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