出来高払いは誰のため 日刊木材新聞社 橋本 崇央


住宅ローンと工務店
 この2年くらいだろうか、「出来高払い制度」という言葉が住宅業界でよく使われるようになったのは。
 住宅金融公庫が廃止される方針が決まり、民間金融機関が住宅ローンに本格的に参入を始めてから、公庫融資が大半を占めていたときには問題にならなかった工務店での住宅ローンの問題点が指摘されるようになってきた。
 このwebマガジンの創刊号でも書いたが、工務店と大手ハウスメーカーとの間で住宅ローンでの格差がつき始めているようだ。効率的に優良顧客を囲い込みたいという大手都市銀行やネットバンクでは、信用力・ブランド力のある大手ハウスメーカーには、つなぎ融資を行い、工務店にはつなぎ融資の交渉にさえ応じないところもあると聞く。

出来高払いという制度
 こうした問題に対処した新しい工務店向けのビジネスとして登場してきたのが「出来高払い制度」を核にした工務店向けの事業で、完成保証を担保に融資実行を前倒し、出来高に応じて決済するものや、事業融資や請負代金の請求権の証券化などいろいろな知恵を絞って資金調達を行い工務店向けの出来高払いをおこなう事業化が進められているが、利用実績はまだ少ないようだ。
 制度の分かりにくさや、利用料金の問題、制度利用の条件などさまざまな問題が考えられるが、住宅建設をおこなう消費者の保護という視点と工務店の資金繰りの改善、最終金支払いトラブルなどの回避など工務店側のメリット、こうした事業を通じての工務店の囲い込みを目論む建材流通などそれぞれの立場から取り組まれてきた。
 ここにきて国土交通省も「第3者による出来高払い方式に関する基本的な指針案」をまとめたが、工務店による家づくりが評価されるようになってきているだけに、金融面での競争で消費者が住宅を建てる時の選択枝から工務店がはずされないような仕組みづくりが必要になっているように感じる。

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